終結の3プラン

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 今年6月5日神戸山口組トップ井上邦雄組長宅(神戸市)が発砲されるなど、最近山口組側による脱退派に対する攻撃が激化しています(*1)。2015年8月の分裂からしばらくは、神戸山口組側による攻撃も認められ、両者の関係は抗争状態と定義してよい状態でした。しかし近年は神戸山口組側の攻撃はなく、山口組側の一方的な攻撃があるのみで、非対称的な戦いが行われており、もはや「抗争状態」ではなく「膠着状態」といえます。

 山口組は過去にも分裂しています。四代目組長の地位を巡り内部対立が発生、結果1984年山本広派が脱退、一和会を結成しました(*2)。一和会は山口組と抗争をしましたが、1989年解散し、両者の抗争は「山口組勝利」の形で終結しました(*2)。抗争終結時には、一和会トップ山本広は引退もしました(*2)。当時の山口組は「敵対組織の解散」「敵対組織トップの引退」に至ったことで、抗争終結に応じた形です。

 現在の山口組も1989年時の一和会との抗争終結を意識し、「神戸山口組の解散」「井上邦雄組長の引退」の2つを目標に定めていると推測されます。

 対し神戸山口組は2つの条件に応じる気はない模様で、膠着状態が続いています。

 両者の「妥協」があれば、膠着状態が終わる可能性があります。以下、終結の3プランを考えてみました。

プランA:神戸山口組の名称及び代紋の変更

*2017年松葉会の脱退グループ(松葉会関根組)が「関東関根組」に改称し、代紋を変えたことで、松葉会との和解に至りました(*3)。このプランでは組織は存続し、トップ交代はありません。

プランB:神戸山口組の解散(その後の新団体立ち上げは認める)

*2013年道仁会の脱退派(九州誠道会)は解散し、道仁会との抗争を終結させました(*4)。その後、旧九州誠道会は新団体(浪川睦会)を立ち上げました(*4)。このプランではトップ交代はありません。旧組織トップが新組織トップに就くこともあります。

プランC:神戸山口組の名称及び代紋変更、井上邦雄組長の引退

*業界の盟主・山口組としては、他団体の事例に倣うことはないと思っているはずで、おそらく井上邦雄組長引退は譲れない条件なのでしょう。このプランでは組織は存続しますが、トップ引退により、新トップが就きます。

 道仁会の小林哲治会長が井上邦雄組長と会談するなど(*1)、「調停役」を務めている可能性もあります。

<引用・参考文献>

*1 『週刊ポスト』2022年7月1日号「<独走レポート> 団体トップ宅に銃弾打ち込み、車で突撃 山口組分裂抗争ついに終結へ そして生まれる「シン・山口組」の全貌」(鈴木智彦), p122-125

*2 『洋泉社MOOK・ヤクザ・流血の抗争史』(有限会社創雄社・実話時代編集部編、2001年、洋泉社), p160-170

*3 『実話時代』2019年3号, p39

*4 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』(2017年6月号増刊), p83

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