ヨーロッパにおける違法領域の収益活動の1つとして「違法煙草の販売」があります。違法煙草(illicit cigarette)の種類は3つあります。cigarette は「紙巻き煙草」の意味なので、illicit cigarette は厳密には「違法紙巻き煙草」になります。よって刻み煙草は今回該当しません。
違法煙草の1つ目が「密輸煙草」(Contraband)、2つ目が「偽造煙草」(Counterfeit)、3つ目が「イリシト・ホワイツ」(Illicit Whites)です(*1) 。
密輸煙草とは、煙草税の低率国で購入された後、越境してきたものを指します(*1)。また高価格帯市場の国における再販売目的で、納税なしに「輸出」(つまり密輸)したものも、密輸煙草です(*1)。「密輸煙草」において煙草自体は、合法的に製造されたものです(*1)。
偽造煙草とは、違法に製造及び販売されたものを指します(*1)。
イリシト・ホワイツとは、ある国や市場において合法的に製造されているが、実態は「密輸目的で製造されている」と指摘される煙草を指します(*1)。またイリシト・ホワイツの中には「国別表示なし」(no country‐specific labelling)のものもありました(*1)。イリシト(違法)・ホワイツ(白)とは、文字通り、両義的な商品といえます。
<引用・参考文献>
*1 『Illicit cigarette consumption in the EU, UK, Norway and Switzerland 2021 results』(KPMG LLP,2022),p2-3
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