ニュージーランド警察は四半期ごとに、ニュージーランド国内における違法薬物の流通状況を「ニュージーランド 廃水薬物検査・全国の概要」(Wastewater Drug Testing in New Zealand: National Overview)という報告書で伝えています。
最新は「ニュージーランド 廃水薬物検査・全国の概要-2022年第2四半期調査結果」です。同報告書(2022年第2四半期)のデータでは、メタンフェタミン、MDMA、コカイン、フェンタニルの4つが違法薬物として取り扱われています(*1)。つまり大麻、ヘロイン等は取り扱われていません。検出される大半はメタンフェタミン、MDMA、コカインの3つです(*1)。廃水検査は毎月1週間実施されています(*1)。
2022年第2四半期(4~6月)ニュージーランド全体で、メタンフェタミン16.7kg(週平均)、MDMA 8.5kg(週平均)、コカイン0.7kg(週平均)が使用されたと、同報告書は推定しています(*1)。ニュージーランド全体では違法薬物の中でメタンフェタミンが最も多く流通していたと考えられます。
同報告書では「10地区における違法薬物使用量(週平均)の内訳」が記載されています。首都ウェリントン(Wellington)は10地区の1つです。ウェリントンではメタンフェタミン1,457g(週平均)、MDMA 1,153g(週平均)、コカイン58g(週平均)が使用されたと、同報告書は推定しています(*1)。
北島のベイ・オブ・プレンティ地方(Bay of Plenty)も10地区の1つです。ベイ・オブ・プレンティ地方ではメタンフェタミン886g(週平均)、MDMA 437g(週平均)、コカイン19g(週平均)が使用されたと、同報告書は推定しています(*1)。
10地区のうち9地区において「使用量第1位」はメタンフェタミンでした(*1)。南島南部(Southern)だけが「使用量第1位」はMDMAになっています。南島南部ではMDMA 847g(週平均)、メタンフェタミン221g(週平均)、コカイン15g(週平均)が使用されたと、同報告書は推定しています(*1)。
同時期のウェンリントンと比べると、南島南部におけるMDMA推定使用量(847g)はウェンリントンの推定使用量(1,153g)を下回っています。南島南部のMDMA使用量が、他地区を上回っている訳ではないのです。
2022年第2四半期(4~6月)南島南部内においてMDMAの推定使用量が相対的に多い為、南島南部内ではMDMAの需要が高かったことが考えられます。
<引用・参考文献>
*1 ニュージーランド警察サイト(国家麻薬情報局)
「ニュージーランド 廃水薬物検査・全国の概要-2022年第2四半期調査結果」(英語表記:Wastewater Drug Testing in New Zealand: National Overview Quarter Two 2022)
https://www.police.govt.nz/sites/default/files/publications/wastewater-results-quarter-2-2022.pdf
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