メキシコと中世瀬戸内海の通行手数料

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 メキシコ麻薬カルテル業界では、アメリカ合衆国との国境地域を「支配」するカルテルは、自身の縄張り(プラサ:plaza)を通る違法薬物の密輸人に対し、通行手数料を徴収していました(*1)。密輸側としては、通行手数料の支払いを拒めば、プラサの支配カルテルからの襲撃及び「貨物」の没収リスクが懸念されます。

 当然密輸側は警察組織に頼ることはできず、残りの選択肢は自衛しかありません。結局密輸側は「通行手数料」<「自衛費用」と判断した際、通行手数料を支払っていったと推測されます。

 プラサは恣意的に「拡張」される傾向にありました。ティファナ・カルテル(Tijuana Cartel)は元々ティファナ(バハ・カリフォルニア州)を主なプラサとしていましたが、1990年代以降ティファナから東へ約160km離れたメヒカリ(バハ・カリフォルニア州)も「プラサ」としました(*2)。ティファナ・カルテルは版図を拡大していったことが分かります。以後ティファナ・カルテルはメヒカリを通行する密輸人からも通行手数料を徴収しました(*2)。

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