ロシアの裏社会は売春婦とメタンフェタミン(覚醒剤の一種)を日本のヤクザ組織に供給していました(*1)。
ちなみに日本人のプロモーターが、ロシア人女性を日本のロシアンパブに送っていた場合もありました(*2)。「松田」というプロモーターは、ロシアのウラジオストク等でオーディションを開催し、日本に送る女性を選んでいました(*2)。「松田」はロシアの地元エージェントと組んでいました(*2)。地元エージェントは、オーディションの為に、女性集めを担いました(*2)。
またロシア側は拳銃も日本に密輸していました(*3)。日本の裏社会では、自動拳銃のマカロフ(旧ソ連で生まれた軍用銃)(*4)が1丁50万円以上の価格帯で流通していました(*3)。
一方ヤクザ組織はロシアに盗難車を供給していました。2008年以降、経済が悪化する中でもロシアでは高級車の需要があり、日本側は盗難車をウラジオストク(極東連邦管区沿海地方)に送りました(*1)。
2015年10月~2017年10月ロシア人自動車窃盗グループは新潟県及び石川県で自動車を窃盗していました(*5)。2017年10月までにロシア人3人が逮捕されました(*5)。ロシア側が日本に来て自動車窃盗をすることもあったのです。
表のビジネスでも日本の中古車はロシアに輸出されていました(*6)。
2017年時点で伏木富山港(富山県)が、極東ロシアの港と強い結びつきを有していました(*6)。伏木富山港は、RORO船とコンテナ船の「ロシア直行定期航路」を持っていました(*6)。2016年6月時点では、伏木富山港-ウラジオストク港の間で、月5便のRORO船定期航路が設けられていました(*6)。RORO船が中古車等をウラジオストクに運んでいました(*6)。またコンテナ船(伏木富山港-極東ロシアの港)は2017年時点で月2便、運航されていました(*6)。
ロシアでは「関西地域で使用された自動車」に対する需要がありました(*6)。雪国でない関西地域では融雪剤が用いられておらず、関西地域の自動車は「融雪剤による車体の腐食」とは関係がなかったからです(*6)。
<引用・参考文献>
*1 『The Vory: Russia’s Super Mafia』(Mark Galeotti,2018, Yale University Press), p202
*2 『週刊実話』2023年6月29日号「エロス裏偉人伝 第15回 外国人プロモーター」(八木澤高明), p156-157
*3 『裏社会 噂の真相』(中野ジロー、2012年、彩図社),p193-194
*4 『塀の中の元極道 YouTuberが明かす ヤクザの裏知識』(懲役太郎、2020年、宝島社),p29
*5 警察庁「平成29年における 組織犯罪の情勢」,p119
*6 竹村豊.(2017). 日本海側諸港にとってロシアとの海上交通発展の意義と課題:日本側の観点から. 国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要, 4号.p10-11
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iasrc/4/0/4_1/_pdf/-char/ja
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