アメリカ合衆国カジノの営業施設形態

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 1931年ネバダ州ラスベガスにてカジノが、アメリカ合衆国で初めて合法化されました(*1)。2019年時点アメリカ合衆国においてカジノ(ラスベガス型)は、24州で合法化されていました(*2)。

 アメリカ先住民研究者でカジノ事情にも詳しい野口久美子は、高額賭け金で遊べるカジノを「ラスベガス型カジノ」と定義していました(*3)。ラスベガス型カジノでは、ポーカーやブラックジャック等のカードゲーム、ルーレット、クラップスなどのゲームがありました(*3)。またアメリカ合衆国には「ラスベガス型カジノ」ではないカジノ(例:ビンゴ場)もあります(*3)。

  アメリカ合衆国のカジノには複数の「営業施設形態」があります。

 まず「デスティネーション・リゾート型カジノ」という営業施設形態があります(*1)。デスティネーション・リゾートとは、「特定区域における滞在型総合レジャー施設」のことを指します(*1)。総合レジャー施設にはホテル、劇場、レストラン等が含まれます(*1)。

 ラスベガスのカジノが、デスティネーション・リゾート型に該当します(*1)。デスティネーション・リゾート型は「海外からの観光客」を主な客層とします(*1)。つまりデスティネーション・リゾート型は「賭博」「エンターテイメント」「観光」をパッケージングしたサービスを提供しています。

 別の営業施設形態としては「リージョナル型カジノ」があります(*1)。リージョナル型は「地元住民」を主な客層とします(*1)。中西部のオハイオ州やインディアナ州などでリージョナル型カジノが営業しています(*1)。リージョナル型に関しては、カジノ営業に対し否定的な地元住民がいる為、地元対策というコストが生じます(*1)。

 「船上型カジノ」や「ドッグサイド型カジノ」という営業施設形態もあります(*1)。ドッグサイド型とは、桟橋に係留させた船をカジノ施設とします(*1)。ミシシッピ州は1990年ドッグサイド型カジノを合法化しました(*4)。

 アメリカ合衆国でカジノが合法化される前の1920年代、カリフォルニア州ロングビーチ沖では船上型賭博が提供されていました(*5)。当然1920年代の船上型賭博は、違法領域の事業でした。

<引用・参考文献>

*1 『週刊エコノミスト』2022年1月18日号 「海外企業 13 シーザーズ・エンターテインメント」(宮川淳子), p42-43

*2 『インディアンとカジノ ― アメリカの光と影』(野口久美子、2019年、ちくま新書),p164

*3 『インディアンとカジノ ― アメリカの光と影』,p152

*4 『Gambling Cultures  Studies in history and interpretation』「ETHICAL AND POLICY CONSIDERATIONS IN THE SPREAD OF COMMERCIAL GAMBLING」(William R.Eadington,2014,Routledge),p252

*5 『週刊エコノミスト』2022年1月18日号「海外企業を買う 296 ボイド・ゲーミング」(清水憲人), p44-45

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