「持ち株会社」とは、子会社の株式を持つことで、その子会社の支配権を持つ会社のことです(*1)。持ち株会社には「事業持ち株会社」と「純粋持ち株会社」の2つがあります(*1)。
事業持ち株会社は、自身で事業をしつつ、子会社の株式を持ちます(*1)。一方、純粋持ち株会社は、自身では事業をせず、「子会社からの配当」を収益とします(*1)。
1997年独占禁止法の改正より、純粋持ち株会社が解禁されました(*1)。1997年以前、純粋持ち株会社は禁止されており、持ち株会社の形態としては事業持ち株会社しかなかったのです。
純粋持ち株会社の別名としては「ホールディングカンパニー」があります(*1)。
日本の裏社会において「純粋持ち株会社」のような位置にいるのがヤクザ組織の1次団体です。1次団体が「純粋持ち株会社」であるとすると、2次団体が「子会社」になります。2次団体から1次団体への上納金が「子会社からの配当」に該当します。
1989~1994年7月までの山口組では、2次団体は1次団体に対し月額85万円もしくは105万円の会費(上納金)を払っていました(*2)。2次団体トップが「1次団体内の直系組長」なら85万円、2次団体トップが「1次団体内の最高幹部や舎弟」なら105万円の会費が課せられていました(*2)。
<引用・参考文献>
*1 『不況に強いビジネスは北海道の「小売」に学べ』(白鳥和生、2022年、プレジデント社), p168-169
*2 『洋泉社MOOK・山口組・50の謎を追う』(有限会社創雄社『実話時代』田中博昭編、2004年、洋泉社),p189-190
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