メキシコにおける1990年代半ばの越境密輸手数料

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 メキシコ、アメリカ合衆国、カナダの3か国による「北米自由貿易協定」(North American Free Trade Agreement:NAFTA)は1994年1月1日に発効しました(*1)。北米自由貿易協定発効により、移行期間が設けられた上で、ほぼ全ての品目の関税が2008年1月1日までに無税となりました(*1)。

 北米自由貿易協定発効で3か国間の流通が盛んになることを踏まえ、メキシコの麻薬密輸業者は施策を打っていきました。メキシコの麻薬密輸業者は、国境付近の街で倉庫やトラック会社を買い占めました(*2)。また一部の密輸業者は、どの製品が新たな国境検査をより速く通過するのかを見つけ出す為に、貿易コンサルタントを雇いました(*2)。

 北米自由貿易協定発効(1994年1月1日)以前、メキシコの密輸業者が違法薬物をメキシコ-アメリカ合衆国国境を越えてアメリカ合衆国に密輸する際の「手数料」は、2kgあたり2,000米ドル程度でした(*2)。しかし、その越境密輸手数料は1990年代半ばには、2万5,000米ドル程度になっていました (*2)。越境密輸手数料が12.5倍上昇したのです。

<引用・参考文献>

*1 『エリア・スタディーズ91  現代メキシコを知るための70章』「メキシコとNAFTA-発効後24年の姿と新貿易協定USMCAの誕生」(西尾瑛里子、2019年、明石書店),p138-141

*2 『The Dope: The Real History of the Mexican Drug Trade』(Benjamin T. Smith,2022,Ebury Press), p334-335

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